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最高裁、死後生殖認めず

夫に先立たれた西日本在住の女性が凍結保存していた精子による
体外受精で出産した男児(5)について、
夫の子として認知できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が4日、
最高裁であった。

第二小法廷(中川了滋(りょう・じ)裁判長)は「死後生殖について民法は想定していない。
親子関係を認めるかどうかは立法によって解決されるべき問題だ」と述べ、
立法がない以上父子関係は認められないとする初めての判断を示し、
認知を認めた二審・高松高裁判決を破棄。
女性側を敗訴させる判決を言い渡した。

夫の精子を死後に利用して生まれてきた子を法的にどう保護するかは、
さまざまな検討が行われているものの法整備に至っていない。
判決は、死後生殖によって生まれた子が認知されることによって、
いまの民法の下でどのような法的メリットを得られるのかを検討。
「父から扶養を受けることはあり得ず、父の相続人にもなり得ない」と指摘した。

法律上の親子であれば存在するこうした「基本的な法律関係」がないことを踏まえ、
「立法がない以上、死後生殖による父子には、法律上の親子関係の形成は
認められない」と結論づけた。
第二小法廷は、今回のような例で父子関係を認めるべきかどうかは
「生命倫理、子の福祉、社会一般の考え方など多角的な観点から検討を行った上、
立法によって解決されるべき問題だ」と法整備の必要性を指摘した。

女性の夫は白血病で、放射線治療で無精子症になる恐れがあって精子を保存。
99年に死亡した。
女性は「この子に父親がだれかを教えてやりたい」と訴えていた。
4裁判官全員一致の判決。滝井繁男、今井功両裁判官は補足意見で、
生殖補助医療により生まれる子に関する法整備を速やかに行うよう求めた(朝日新聞)